佐賀県基山で保護されている絶滅危惧種3選

7月に入りました。蒸し暑い中でしたが、基山にハイキングに行ってきました。

今年は梅雨が長く、7月の中旬過ぎても雨がいつ降り出すかわからないくらい雨の多い日々です。
今回も天気予報では午前中雨40%、午後20%でしたが、出発時には雨もなく出かけることにしました。

基山には季節ごとに目も舌も楽しませてくれる植物たちがいろいろあるのですが、ここでは絶滅危惧種に指定されていて保護されている植物たちについてレポートします。

オキナグサ

オキナグサは本州、四国、九州の日当たりのよい草原や林縁に生える多年草です。花後にできるタネに白く長い毛があり、そのタネが密集して風にそよぐ姿を老人の白髪に見立てて「オキナグサ(翁草)」と呼ばれているといわれます。

根を下痢、腹痛、発熱に用いることもあるそうですが、有毒植物とされているため素人で扱うのは危険です。全草にプロトアネモニン・ラナンクニンなどを含み、試食ですら嘔吐、下痢、発熱を伴い、ひどい時には心停止に至ることもあるそうです。

オキナグサの花言葉は「清純な心」「告げられぬ恋」「何も求めない」「裏切りの恋」。下向きに咲く花からそのような花言葉になったと言われています。そして、花が咲いた後のあの変容ぶりに「裏切り」というのも面白いところですね。

宮沢賢治の物語にも「おきなぐさ」が収められています。そこでは”うずのしゅげ”と呼ばれ、蟻や雲雀との会話から、風に憧れ、巣立ちに憧れつつも不安も感じながら成長していく様を描いています。

環境庁レッドリストに入っており、絶滅危惧種Ⅱ類に分類されています。

花のあとの白髪状に広がるふわふわの種。雨上がりで濡れています。

基山では3月から4月にハイキングすると、頂上付近で保護されています。10年前は囲いもなく、それでもたくましく咲いていた数輪のオキナグサでした。初めて見る濃い赤色の花に夢中になりました。

成長はそれぞれで、花が咲いているものもあれば、お爺さんのお髭のような綿毛になって風にそよいでいるタネたちもありました。ゴールデンウィーク頃まで楽しむことができる花です。

次第に、オキナグサの周りには柵が立てられるようになり、登山者の踏み荒しが減りました。すると年々、増えていき、今では山頂の広い範囲にかけて赤いオキナグサが風にそよいでいます。

動画レポートはこちらです。「オキナグサ」

フナバラソウ

2020年の7月に基山に行った際に見つけた保護柵。そこで保護されていたのは”フナバラソウ”でした。

よく見かけるようで、今まで全く気にしていませんでしたが、今回、2ヶ月ぶりにハイキングに出かけてみて、保護されていたので、また新しい発見となりました。

見つけたときは、ちょうどこのように濃い赤紫色の花を咲かせていました。

フナバラソウは、キョウチクトウ科カモメヅル属に分類されます。多年草です。
別名「ロクオンソウ」。根っこに薬効があり、清熱涼血、利尿、解毒作用があるようです。

環境庁レッドリストでは、絶滅危惧種Ⅱ類に分類されています。

こちらは登山道の日当たりの良い中腹に自生していました。直立しており草丈30〜40cmほど。葉や茎に白い軟毛が生えており柔らかな手触りです。

花は葉っぱの付け根から出ていて、1cmほどの小さな花が数多く咲きます。花期は5〜6月のようですが私は7月でも見ることができました。秋には果実が実るのですが、この実が裂けた形が、船の形に似ていることから「フナバラソウ」という名前の由来になったのだそう。
だけど、なかなか結実しないそうです。これは要観察ですね!

その時期の基山のレポートはこちらです。

タチバナ

基山の駐車場には大伴旅人の歌碑があります。

そこには「橘の花散る里のほととぎす 片恋しつつ鳴く日しそ多き」とあります。訳は、橘の白い花も散る初夏のこの里は、ほととぎすも、一羽だけで誰かを恋いしそうに鳴く日が多いことである。

橘の花に片思いしているホトトギスが、花が散ってゆくことに鳴いている日が多いよという意味であり、大伴旅人が先立たれてしまわれた奥様を恋しくて歌ったものだとも言われています。

橘は、ミカン科ミカン属となっており、日本の固有の柑橘類です。実よりも花や常緑の葉が「永遠」を喩えるということで縁起の良い植物として昔から育てられてきました。図案として用いられ、家紋などになっていることもあります。

そして、環境庁レッドリストによると、絶滅危惧種ⅠA類に分類されており、希少価値のある植物となっています。

さて、その橘が一体どこにあるのか…

タチバナを一つもいでみる

実はひっそりと1本、駐車場の近くに立っています。実る小さな果実は登山で疲れた私たちにエネルギーを分けてくれます。

中身はとっても酸っぱいです。外皮も金柑のように頂くのですが、その甘みが中身の酸っぱさを中和してくれて心地よい。ビタミンたっぷりで疲労回復にバッチリですね!

さぁ、早速基山ハイキングに出かけよう!

旅色に紹介されました