こんにちは、あなたと自然のお仲人「山人クラブ」のハーバリストNAMIです。
今、山人クラブでは、夏休みなので、親子アウトドアが人気です。
子どもたちには、「アウトドアで遊ばせたい」「でも、アレルギーが・・・。」
そんな悩みを抱えているお母ちゃん、お父ちゃんは多いようです。
ロート製薬が行なったアンケートでは、子どもたちの3人に1人が、花粉症だという結果が出ています。
http://www.rohto.co.jp/~/media/cojp/files/pdf/news/kafun_1512.pdf
では、アレルギーのある子どもたちがアウトドアで遊ぶには、どんな準備が必要かをまとめてみました。
(1)アウトドアでの花粉症のアレルゲンは何か
上のグラフからも、アレルギーの中でも花粉症が多いようです。現在のアレルギーは様々ですので、一様な対策ではいけません。何のアレルギーであるのかを事前に確認しておくことが安全に遊ぶことにつながります。
そこで、花粉症のアレルゲンについて考えてみましょう。春先は、スギやヒノキ花粉がアレルゲンとなっています。森の緑が全体的にオレンジがかっている時なんかは、スギ花粉が枝先にびっしりとついている状態です。風が吹くと、空気中に舞うのですが、その飛散距離が数十キロ、時には300キロ離れたところからも飛んでくるというから驚きですね。
5月に入ると、スギ花粉は落ち着くものの、次に待ち構えているのがイネ科の植物たちです。メロンやスイカ、トマトといった食べものを食べることで、口内が痒くなったり、顔が腫れ上がったりします。マスクやゴーグルで防ぐのが妥当ですが、5月以降になると、暑くてその予防も難しくなっていきます。
しかも、外には、たくさんの雑草たち。雑草の中でもイネ科の植物として、ハルガヤやカモガヤは、日本全国どこにでも生えているので、うっかり草の花粉を吸い込んで出てくるようです。
実は、ハーブのレモングラスもイネ科ですので、注意して使用するようにしましょう。
(2)ハーブたちの力を借りて花粉症対策しよう
ハーブたちには、自分の身を守るためにフィトンチットやファイトケミカルスを持っています。例えば、ナスやブルーベリーなどのアントシアニンは、強い紫外線から身を守るためだったり、お茶やコーヒーにも含まれるタンニンの苦味は、虫たちに食べられないようにしていたりします。
そんなファイトケミミカルスを活用しない手はありませんね。
次に、ハーブの中で、抗アレルギーや消炎作用を持つ主要なものをあげてみます。
(3)抗アレルギー・消炎作用を持つハーブ
① レモングラス
レモングラスは、イネ科の植物ですのでイネ科のアレルギーの方は使用できません。葉っぱに含まれるシトラールという成分が防虫効果を持っています。ネロールやゲラ二オールなどから心身がリフレッシュするような香りも含んでいます。
これをスプレーの中に入れることで、虫を寄せ付けず爽やかな香りで自分自身もリフレッシュできるというわけです。フレッシュでも、精油でも使うことができます。
② ユーカリ
コアラの食べ物としてお馴染みのユーカリの葉っぱで、フレッシュではなかなか手に入らないので精油を使います。鼻にツンとしてスーッとする鋭い香りがあります。この香りが森林を思わせます。抗菌、抗ウイルス、抗真菌、抗ダニの作用があるので、これもスプレーなどを作る時に入れておくことで効果を発揮します。
③ カモミール
キク科のこのハーブは、ピーターラビットの話にも登場するほど最も親しまれているハーブの1つです。成分にフラボノイドを含むので、消炎作用があります。他にも鎮静作用、鎮痙作用、駆風作用があるので、このハーブを取り入れることで、心を穏やかにしたり、お腹の痛みを和らげたしする作用があります。
花をハーブティにして、飲んだり、痒みやかぶれがあるところを優しく湿布したり、パッティングするのも効果的です。フレッシュでも、ドライでも、どちらも手に入りやすいでしょう。
④ ティートリー
ティートリーも、オーストラリアなどに自生する樹木です。葉っぱの部分を使用し、私たちには精油が手に入りやすいでしょう。
成分に1.8シネオールを含み、清潔感に富んだ強い香りを放ちます。強力な抗菌作用、抗ウイルス、抗真菌作用があり、さらに免疫力を上げる作用もあるので感染症予防にも使われます。
この精油は、直接肌につけることができます。子どもに対しては、10%以下に薄めて、パッチテストを行ってから使うようにしましょう。
⑤ ネトル
イラクサ科のこの植物は、主要成分にフラボノイド、クロロフィル、ビタミン、ミネラルを豊富に含み、利尿作用を促し、浄血してくれます。花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患や痛風、リウマチに効能があるハーブです。
ドイツでは、春先(1〜2月)にネトルのお茶を積極的に摂取して溜め込んだ毒素を排出し、アレルギー予防に努めています。(春季療法)
ドライの葉っぱが手に入りやすいでしょう。
⑥ エルダーフラワー
ドイツの春季療法で、ネトルと共にハーブティやコーディアルとして利用されています。このハーブもフラボノイド配糖体を含むので、抗アレルギー作用があります。その作用から、欧米では「インフルエンザの特効薬」と呼ばれ、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの花粉症症状にも使うことができます。ドライハーブとして手に入れやすいでしょう。
(3)実際に使ってみよう
① 虫除けスプレー
市販のものには「ディート」と呼ばれる化学成分が日本では12%以下で入っています。これは、虫たちの正常な反応を抑える薬です。虫に悪いならば、私たちの身体にも悪そうですね。そこで、アロマオイルを活用して、スプレーにしてみましょう。
始めにエタノール5mLボトルに入れて,その中に虫への忌避作用のある精油を10滴たらします。よく混ざってから、精製水を45mLを上から注いで出来上がり。
虫が嫌う精油とは、ユーカリ、レモングラス、カモミール、シトロネラ等と言われています。お好みで10滴チョイスしましょう。
② カモミールウォーター
カモミールティを作り、スプレーボトルに入れて常温で冷やしておきましょう。赤みや痒みを帯びてきた皮膚にスプレーしてあげることで、清潔に保たれると共に、赤みや痒み・腫れを抑制してくれることでしょう。温湿布、冷湿布などその日の体調に合わせて使用します。
このハーブは、子どもにも安心して使えるハーブと言われています。ということは高齢者にも優しいハーブということですね。
この1本は、アウトドア遊びの際には置いておくと良いでしょうね。
③ ペパーミントの蒸気浴
しつこい鼻づまりにはペパーミントを使います。熱いお湯(熱湯よりやや低い程度)をボウルや洗面器に注ぎ、精油を2、3滴落とします。タオルを頭からかぶってボウルに顔を近づけ、目を閉じます。吸入の場合はゆっくりとした呼吸で約10分蒸気を吸い込むようにしましょう。コップに熱湯を注ぎ、そこに精油を数滴垂らして蒸気浴もいいでしょう。
また、鼻づまり+目のかゆみにはネトルの蒸気浴も効果があります。
④ ハーブティ
アレルギーに効くハーブティとして、エルダーフラワーとネトルとローズヒップの組み合わせがあります。これを花粉症の時期の2、3ヶ月前から飲むようにすると良いでしょう。
また、上のペパーミントやネトルのハーブティも効果的です。
(4)アウトドアでの花粉症対策について
いかがでしたか?アウトドアでの活動を楽しむためには、花粉症発症3ヶ月くらい前から抗アレルギーのあるハーブを取り入れていくようにするといいようです。
それでも、アレルギー症状が出た時は、赤み・痒み・かぶれがひどくならないように、気付いたらすぐに手当てをするようにしていきましょう。
天然の虫除けスプレーや痒み止めスプレーを作って、使いやすいところに置いておくのが良いでしょう。ハーブたちのファイトケミカルスで虫知らず、アレルギー出らずになることを祈っています。
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